飲食店は生活に最も身近で、最も競争の激しい業種だと言えます。自店の営業エリアに同種の飲食店が何店舗も軒を連ね、熾烈な新規客獲得合戦を繰り広げています。
メニューデザイン作成PRO.では、メニュー作成を通して積み上げてきた様々な経営戦略を、競合他店との競争に打ち勝つ"成功の極意"として伝授致します。
はじめに…飲食店のライフサイクルを理解する
Gokui
飲食店は時代と共に変わってきました。1960年代まで居酒屋と言えば「赤ちょうちんの店」でしたが、1970年代に「総合居酒屋」が登場し、居酒屋ブームの波に乗り成長期をえました。1980年代には総合居酒屋が大型化し、そしてチェーン化。「多種多様な料理が食べられる」の触れ込みで人気を博しましたが、1990年代になると業態に特化した「専門店」が登場。2000年頃から総合居酒屋、専門店共にお客様が慣れることで、居酒屋は安定期に入りました。この頃になると、内装やコンセプトで差別化を図るイベント型の居酒屋が多数登場。2010年頃から280円均一居酒屋などの低価格で集客を図る低価格居酒屋が多数登場し、差別化を価格競争で行うといったデフレの時代を迎えました。
そして現在、飲食店は大変厳しい時代、低迷期が訪れています。飲食店は時代と共にその営業形態を変えてきています。
飲食店を成功させる極意は、こうした時代の流れを掴み、現在、1年先、3年先を見据え、価値を創造する経営戦略を実行していくことが必要不可欠なのです。
■居酒屋でみる飲食店の営業形態
次に…バイ5の法則を理解する
Gokui
飲食店はたくさんの常連客を獲得することが成功の鉄則です。逆を言えば、常連客を獲得できない飲食店は、絶対に成功しないとも言い換えることができます。新規客を獲得するには、常連客を再来店に導く費用の5倍の費用が必要と言われています。これをバイ5の法則と言います。逆を返せば、常連客を多数獲得し、再来店につなげることができれば、集客経費は新規客獲得時の1/5で済むということになります。常連客の再来店で得た収益を新規客獲得に充て、更なる常連客を獲得していく。バイ5の法則を理解し常連客獲得戦略を実行していくことが成功への第一歩なのです。
さらに…永続する為の店づくりを行う
Gokui
何事にも流行りは起こります。流行りに便乗し、店舗・規模の拡大をするのも大切な事ですが、最も大切なのは"時代を見据え永続できる店づくり"を行う事に他なりません。そのためには流行り廃りに流されない、経営軸の強固な店づくりが必要です。明日突然、隣にライバル店が出来るかもしれません。しかしそれが飲食店の宿命です。そうした有事にも集客が落ちることのないよう、日頃からお客様のニーズを把握し、問題点を解決して、たくさんの常連客のいる人気店作りを目指すことが飲食店経営成功の鉄則なのです。競合他店と差別化のある"オンリーワンの店"。それが飲食店経営の理想形です。
そして…専門分野に特化し「属性(特徴)」を明確化する
Gokui
冒頭でも記述しましたが、1970年代の総合居酒屋誕生から現在に至るまで、時代と共に飲食店は営業形態を変えてきました。飲食業界が低迷期を迎える今、常連客が求めるのは「あれが食べたい」の目的を満たしてくれる、業態を特化させた「専門店」なのです。さらには、専門店の中でも「属性(特徴)」が明確化された専門店となることです。 例えば「総合中華料理店の醤油ラーメン」と「醤油ラーメン専門店」では、どちらのラーメンを食べたくなるでしょうか。もし食欲を満たすだけの目的であれば「総合中華料理店」も良いでしょう。しかし、大抵の場合「醤油ラーメンが食べたい」「餃子が食べたい」等、食欲を満たすだけではなく、その種類にもこだわりがあるはずです。それは常連客になれば尚更で「○○亭の醤油ラーメンが食べたい」となってくるのです。専門店化し属性(特徴)を明確化することが、目的型来店客を獲得し、飲食店淘汰時代を勝ち抜く"成功の極意"なのです。